懐かしい! クムウール

2007.09.16 #ペルシャ絨毯

世間は三連休だからなのか、そこそこ忙しい1日でした。
しかしまだまだ暑いですよね。早く絨毯が恋しい気温になって欲しいものです。(何℃かな?)

本日の物件は私にとって懐かし~~い絨毯です。
上の画像だけ見てどこの産地か解かる人は少ないと思います。

正解→シルクの絨毯で有名なクム産です。

私がこの職業にかかわり始めた20年以上前頃、いわゆる有名工房というのが台頭して来ました。当時ラジャビアン工房(バラのモチーフで有名ですよね)と、このラシティザーデ工房が頭ひとつリードしていました。当然マスミ工房なんてない時代です。
わりと派手なラジャビアンに対してラシティザーデは地味というか、モチーフが遊牧民の文様にインスパイアされたもの等をはじめ、幾何学文様や直線基調の個性的なものが多くひとクセありました。しかし「う~ん、やるねえ~」って感じの凝ったデザインで大好きな工房だったのです。

上の画像の通りサイン部もサブボーダーに隠すように織り込まれています。昨今の工房モノの絨毯のように目立ったところにドカ~ンとサインは入れていないところに好感を持ったものです。
しかし程なくして絶頂期にもかかわらず、ラシティザーデ氏は引退してしまったのです。

そして最も重要なこと…この絨毯はオールシルクではないのです。商品として流通していたものはほぼ100%シルク製でした。しかし実は稀に自家仕様のような感じで特別にウール製を制作していたのです。
この絨毯はパイルは殆どがウール。一部にのみシルクが用いられています。ちなみに縦糸はシルクで結び自体は細かいものです。約20~25年経過しておりウールにも艶が出て柔らかさも増し、その上古色も僅かに出始め抜群の状態です。でもシルクのものよりリーズナブル価格!

しかし、この絨毯も結局マニアック。簡単には売れないでしょう。多分業界の方をはじめプロにはウケはいいでしょうが…。

Comments

  1. 名前 : まるもちゃん 2007年9月17日 6:17 PM

    {花火}なんという、偶然{花火}
     この間お世話になっている絨毯屋さんに、丁度、ラシティザーデのオールドのシルクのザロニム(珍しい大きさで、133×170)を見せてもらったところだったんです{ロケット}!
     やはり直線的なモチーフで、フィールドのお花は茎が強調されていて、放射状の柄の一部になっていて、可愛らしい単純なお花のモチーフを組み合わせたものでした。薄いグリーンと濃いグリーン、オリーブ色で描かれたフィールドの柄がすばらしく、淡いグリーンで輝いていました{キラリ}!茜色のボーダーも美しい、成熟した絨毯でした。
     コレクターの方で探していた方がいらしたので、その人に見せたら、飛び上がって喜んだとおっしゃっていました!やはり絨毯は人を選んでやってくるんですね~{ラブ}

  2. 名前 : rugsts 2007年9月22日 6:47 PM

    >>まるもちゃんさま
     ここ数日、雑事で忙しくコメント書き込めませんでした~。スミマセン!
     シルクのラシティザーデは数枚隠し持っていま~す。(自慢?)この絨毯とは違いますが同じウールで作ったバージョンのドザールは20年前から我家の玄関を飾っております。(これも自慢?)
     
     しかし、オールドのラシティザーデっていうものがあるんですね?イラン革命よりまだ20年以上前ですか…。どんなに素晴らしいものか、一度拝見してみたいものです。

Leave a Comment

入力エリアすべてが必須項目です。
メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

CAPTCHA


年別一覧