絨毯の修理 フリンジの場合

2009.02.14 #絨毯・キリム

本日のお題は…絨毯のメンテナンスについてデス。

高価なペルシャ絨毯、2度と出会えない遊牧民の絨毯を愛用されている方はきっと関心があるでしょう、ということで本日は「フリンジ修理」。

この絨毯は10年弱前にイラン現地でお客様が買われたイスファハンの絨毯です。

このように見事に?片側だけフリンジが…ちぎれて ボロボロ
可哀想な状態に。

ここでまず問題なのが…、フリンジ部分だけではなくキリム部分(絨毯とフリンジの間の布状の部分)までダメージが及んでいる事です。

これがフリンジ部分のみの場合だと、まだ軽傷なんです。

キリム部分までいっちゃうと修理のしかたが変わってきます。
その上、このお客様は「キリムの刺繍部分も再現して欲しい。」とのご依頼でした。

通常、フリンジ修理は絨毯の本体(端から3cmくらいのところ)からもう一度縦糸を入れなおします。

例えば縦糸が1200往復入っている絨毯であれば、3本を一度に入れるので400回以上縦糸を入れなおします。(疲れる~と思う。私がやるわけではないですが…)

が、この場合というのは、キリム部分がない通常の絨毯のお話です。
これがイスファハン産や他の産地でもキリム部分付きの絨毯であると…

キリム部分にも縦糸を通す作業が必要になります!
当然、3本も通りません。

1本ずつです!!!、1200往復なら1200本~2400本!!!

想像がつきますか?
絨毯を結ぶのも大変ですが、同じように修理も手間がかかりますね!

そして
今回の場合はキリム部分までダメージがあります。
こうなれば、方法は…

. キリム部分を撤去して、絨毯から直接フリンジにする。
. キリムのダメージのある部分までほどいて、残ったキリム部分に縦糸を追加してフリンジを作る。
. キリム、フリンジ部分を別作して本体と結合する。

今回はの方法を選びました。何故か…

はもう片側とバランスがとれない。は刺繍部分を再現できない。

ということで




めでたし、めでたし…
修理完了で~す!

どうです?バリッとしたでしょ!!

ちなみに…
片側のフリンジは修理しなくてもいい状態でした。
しかし、10年近くなるとシルクのフリンジは少し色が変わってきます。
修理部分も当然ながら…それに合わせて染色しています。
一流の修理はちゃんと気配りされているものなのです。

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