絨毯のシーズン

最近、ずっと雨続きでしたが、ぼちぼち肌寒くなって来そうな…
そんなシーズンともなれば…

絨毯!

絨毯、と言えば手織り。

手織り、と言えば遊牧民?

遊牧民、と言えば、

ギャッベ!でしょうね。

だから…

店頭にあれば売れる、座布団サイズ。

どちらかと言えば、当店のムードとは異なるアイテムなのですが…品数充実です。

でも、実を言うと…

これはウチの通常の入荷ルートではなくて、関西在住のイラン人A氏に頼んでいるんです。
先日もわざわざ持って来てくれました。

彼はこの道20年で、テヘランのバザールに1軒の小さい店を借りています。
現地スタッフを雇い、スマホでラインを駆使しながら指示を出し
2~3ヶ月に1度くらいのペースでイランへ足を運んでいます。
そして、日本へせっせとギャッベを送るのです。

その上、テヘランの店には日本語で「ギャッベあります」と掲げています。
写っているのは、彼のテヘランのスタッフと日本人女性。

「日本人の旅行者もいっぱい買ってくれるヨ~」

素晴らしいギャッベビジネス!

輸入卸に限っては、これだけで十分なのです。
余計な事をせず、売れる絨毯だけを扱う。
ここがポイントです。
それ以外は中途半端に扱ったりしない。
そうすれば、時間と収入がばっちりと手に入ります。

正直、私もそんな生活も「いいなぁ~」って思ってしまいます。

でもね…

そんな彼がウチの店に来る度に…

「こんなバルーチ、どこへ行けば見つかるの?」

「こんなビジャー、いくらで手に入れたの?」

「こんなカシャーン、どこで見つけたの?」

「こんなイスファハン、ど~してココにあるの?」

「こんな絨毯、どこを探しても見つけるの無理ヨ~、もうドコにも無いヨ~。タマキジャン、日本人なのに、なんでヨ~」
(豆知識:ペルシャ語で名前の後にジャンとかジュンっていうのは、日本語の~ちゃんっていうのと同じ)

普通の絨毯だけを扱ってはいても、イラン人なら、プロなら、わかるのです。

そこで私は「ええやろっ~!教えられへん・け・ど・な。。。」
と、束の間の優越感に浸れるのです。

ってことで、

超長い前フリでしたが、こんなことでついつい調子に乗ってしまい、先日入荷してチョイ出ししたコレクタブルピースを店頭に展示してしまいました。

このショーウインドウ、「ザ・濃厚」とでも名付けましょうか?

ピクトリカルな意匠が印象的なものも多い20世紀初期~中期のカシャーン産絨毯。
一般的にはフィールド全体にミフラーブ等が配されたワンウェイデザインであったり
メダリオンの中に風景や建物が描かれたりするものが多かったりしますよね。
でも、これはメダリオンやコーナーは渋っ渋~なトラディショナルタイプなのに、ボーダーがピクトリカルっていう、逆を突くパターン。

そして、そのボーダーは時間が育てた美しいブルー。その上、程よく抜け感もある意匠…

このバランス感覚、ちょっとないですよん!

で、その下に目をやると…

これぞ、アラベスク!

これぞ、マムーリ独特のツヤ感!

これぞ、パーレビブームの遺産!

なかなか出物がない「サラフ・マムーリー」工房作と思われる絨毯です。

普通のコルクウールとちょっと違う特徴的なツヤ感があり、ラペの独特な配色センス。
全体的な色構成からすると、ラベはベージュか濃紺を選ぶのが普通ですが、そこにゴールドっぽい山吹色を持ってくるあたり…(ラペ:絨毯の一番外側になる、単色の柄のない部分)

当然、画像では伝わらないと思います。
どれだけマムーリを見た事、触った事、扱った事があるかという経験値がないとわからないです。

とは言え、そんな希少性云々よりも、大切なのは「モノ有りき」。

私の言っている事など、右の耳から入れて左の耳へ抜けてイイんです。

能書きは凄いですが、プライスはそんなに凄くないです(笑)
現行のイスファハンの工房モノの方がよっぽど価格は凄いです。

まあ、そんな能書きはホドホドにして…

展示替えした、他の壁面の画像もどうぞ。。。

これもカシャーン・オールド。
初壁面、床に敷いて見るよりイイ。

こんな所に隠しサインを織り込むタブリーズのアリ・タラーズ工房。

ヘリーズデザインでヨーロッパ人好みですね。

ヘリーズ繋がりってわけではないですが、コチラはヘリーズ産。

当たり前にヘリーズデザイン。ペアで見つかりました。
未使用で40年経過ってとこかな?

本日はこんなところで…
では、またです。

最近、オチの無いブログでスミマセン。。。。。

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