ペルシャ絨毯でググっても…

2025.04.20 #未分類

うちの店、「ペルシャ絨毯」でググっても、上位どころか何ページ目になっても出てきません。どうすればイイんでしょうかね。

「本物志向のペルシャ絨毯…」とか「本物のペルシャ 絨毯…」とか「本場のペルシャ絨毯」とか…の文言をもっと入れるべきでしょうが、あんまり好きじゃないんですよね、あえて言うほどのことかとも思う。

まっ、そんな愚痴っぽい話は置いといて、たまにはブログを、と思ってのアップです。商品ページにはこっそりアップしてるんですが、画像一枚だけの仕様ですし、説明もないですもんね。あまりに不親切。

なので、最近の入荷から何枚かをご紹介します。

 

今日インスタにもアップしたタブリーズのタバタバイさんの絨毯。

 

タブリーズ オールド
タバタバイ 216x142cm

イラン革命(1979年)以前の有名絨毯工房。
タバタバイと言えばクムシルクの工房をイメージする方が大半でしょうが、こちらは全く別の工房でタブリーズ産です。

作品に共通する柵状のサブボーダーが特徴的。もちろんサインも。

制作後60年以上は経過していると思われますがコンディションはほぼパーフェクト。

 

 

樹木の葉部分をはじめ衣装や土の表現は、そのノット以上の表現になるように糸を予め近似色で撚り合わせて結ぶというテクニックを用いています。

パーレビー朝時代だけに存在した工房で主にアメリカ向けに輸出されていた為、日本ではあまり目にすることはないので、ご興味のある方は是非。

 

 

で、次。

これまた、似たようなニュアンスの絨毯…

 

でも、こちらはイスファハン産。

もちろんこれも革命前の絨毯。無銘、結びも丁寧で細かく、パイルはしなやかなコルクウール。

サイズは170x110cm

 

セイラフィアン工房のゴロボルボル・デザインと比較してはいけません。

鳥の意匠ひとつとっても、垢抜けないのは否めませんが、これがまた逆にイイ味わいだと思いませんか?

主観的な要素のデザインだけがちょっと個性的なのであって、その他の客観的要素はパーフェクトなんですからね。

 

では、垢抜けてないついでにコレも。

ここまで行くとダサい?いったい何のデザイン?って思う人いますよね。バラの花なんですが…

おまけに小鳥がとまってる。

 

セナンタジ産 146x132cm

まあまあ古い、そして個性的な色合い。きっと他の絨毯とは仲良くできない唯我独尊な代物。

絨毯は1枚あれば良いという方、是非ともどうぞ。

 

ちなみに同じパターンのこれより古いアンティークなセネ産もあります。今回の入荷ではありませんが…

サイズは145x114cm

 

これの方がまだバラの花ってわかるかも。

元はフランス的な柄からインスパイヤされたらしい。

 

これで何とかバラということがわかると思います↓

 

 

あとは…

 

詳しい産地は不明。クルドということはわかる絨毯。

テヘランのピルージーエリア(革命広場)の大金持ちの家から入手したものです。

貯金と同じ扱いで新品から50年間保管されていたもの。

 

 

パイルはパートにシルクが用いられていて面白い。

サイズも2x2mで珍しい。

 

 

次、サルーク。

これは、とある所で80年以上保管されていたもの。

モストフィーデザインと呼ばれるもので、この年代のものは入手困難。

サイズは200x125cm。

もちろん状態は素晴らしいの一言。

 

色彩が素晴らしいのですが、デジタル画像では全く伝わらないと思います。

現物を間近でご覧頂きたいものです。

 

 

次はメイメ。

これは172x118cm、他にもサイズ違いなど有り。

前出のセナンタジ産の変わったものと合わせて同出自。

シラーズのギャッベで大成功した業者のコレクションでした。

 

シャハレババク産

↓この中央付近の大きいペイズリーの表現が好き。

 

206x105cmと変わったサイズなんですが、ちょい狭めの部屋のベッドサイドには最適。

 

次、ナイン?

 

確かにナインっぽい。

 

 

ん、一番外側がブルー?

 

ナインの場合、普通は白かベージュ色。

 

 

普通はこの外側部分がツデシュクでは赤色なのですが、これはブルーです。

実はこの産地は1940年頃までしか制作されなかったと言われますが、それ以降のものはこんな感じで一見ナインだったりします。

そして、この絨毯は縦糸がコットンながら、結びは1平方メートルあたり100万ノット!

サイズが190x115cmですから、総ノット数は220万。ひえ〜っ

今の時代、こんな悠長に絨毯を作っていたら、算盤には合いません。

一日5000ノットとして計算するので、制作総日数は440日。そして幾歳月、使用する事なく大切に保管されたことも併せて考えると、今からこれを楽しむ方は、し・あ・わ・せ・だと思います。

 

ちなみに私たちは絨毯に品番などを記入したラベルをタグピンで付けるのですが、その際にタグガンの針を刺します。そして、この絨毯にはその針がなかなか刺さらない!

ホント、どれだけしっかり結び、締め上げてるのかって感じでびっくりでした。

 

んんん、結構長いブログになってきた。

アイキャッチ画像の絨毯に触れないまま、ここまで来たけど、真打を最後に。

 

225x152cm

ザ ・ペルシャ絨毯。こんな絨毯も持ってるんだから、グーグル検索上位に出してよ。

ペルシャ絨毯、ペルシャ絨毯、って何回も書いとくか…

 

 

一昔前は見せると目垢が付くなどと言ったものです。

 

イランから一度ヨーロッパに出て、またイランへ帰ってきたものを入手。

長い年月と道のり、お疲れ様でした。

 

詳しくは店頭で楽しくお話しできればと思っています。

ご興味を持たれた方は是非ともご来店くださいませ。

お待ちしています。

 

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