ご存知ですか?「イラーム」産
週1?ブログなのでひと月に4~5回だから…続けてのアップでつじつま合わせです!!!
イラームって産地聞いたことありますか?イランの西部の端っこの方、イラクとの国境まで50キロそこそこってところです。産地としてはマイナーなことは確か。しかしこんな絨毯もある、というかあったのです。
一見するとプロでもカシャーンと判断するでしょう。横糸もブルーだしデザインもオーソドックスなカシャーンによくあるタイプです。縦糸はシルクですがカシャーンにもコットンではなくシルクを使ったものもあるし…
しかしこれがホントにいい絨毯。
結び …………丁寧、きれい
素材 …………コルクウールに近い
染め、発色 …………ほぼ草木染めと思われます
曲がり、ひずみ…………ありません(99%ね)
制作 …………I.C.C. イラン・カーペット・カンパニー
このサブボーダーに使われている黄色っぽい色、カシュガイの良いものによく使われてるのと一緒ですが年数を重ねるとゴールドがかった何とも言えないいい色になっていくんです。
そしてメインボーダーやメダリオン部に使われている赤。現在のイスファハンの赤ではなく、50年くらい前の草木染めのイスファハンの赤、少し朱色がかった感じが素晴らしい。カシャーンの赤とも違います。
この絨毯、未使用ですが出来立てではありません。何年前の制作かは不明です。そんなに古くはないのは確かなんですが…。いわゆるアンティークに育つ絨毯です.
手に入れた方が踏みしめ、それによって結びのテンションがより一層整い、摩擦による艶が少しずつ出てきて、時間の経過によって微妙な退色が色により深みを与え…
え~っ!営業トークに聞こえましたか?
でもこのようなトークができる絨毯は生産量全体のほんの僅かしか存在しません。ペルシャ絨毯全般に言えることではないのです。また価格に連動していないのも確かです。つまり値段はお高~いのにアンティークに成り得ないものが、かなりあるということです。
逆にそこそこの値段でもこのように立派なアンティークに育つ絨毯もあるのです。
Comments
-
名前 : まるもちゃん 2007年7月21日 7:48 PM
{げっ}う~ん、ペルシャ絨毯って難しいですね。自分の好きな絨毯ばかり買っているので、アンティークになるかどうか、染料の良し悪しまで気にしていませんでしたが、奥が深いのですね。
ペルシャ絨毯についてこうやって、いろいろなことを教えて頂くと、どんどん興味が沸いてきて、気づいたときにはすっかり深みに嵌ってしまうようで、コワイです・・・・{ごめんなさい}。でもペルシャ絨毯はどれも魅力的ですね{ラブラブ}! -
名前 : rugsts 2007年7月22日 1:03 PM
>>まるもちゃんさま
こんにちは~。
>自分の好きな絨毯ばかり買っているので、…
正解です!アンティークになり得るもののみが素晴らしい絨毯ではないですよ。あるひとつの価値観から見たら…の話です。言葉足らずでした。自分の好きな絨毯を買うことが大前提です。
ただペルシャ絨毯はあまりにもジャンルが広過ぎて、何もかも買ったり集めたりすることは無理です。(限りなくお金を持ってる人は別ですが)また絨毯を扱う側にも同じことが言えます。何か自分の中でテーマを見つけてそれに合う絨毯との出会いを楽しめば良いと思います。
うちのお客様の場合でもそれぞれの好みやテーマから絨毯をお選び頂いております。例えば…
*オールドカーペットだけという方
*あくまでインテリアの一部として調和がとれるようにという方
*ライオンラグだけに興味のある方
*デザインの中に必ずカワイイ動物のモチーフが入っていることが条件という方
*ひとつの産地の絨毯だけ集めている方
本当に様々です。またどれも正解です。あまり難しく考えないで下さい。でも出来るだけ多くの絨毯をできるだけ多くの店で見て下さい。ペルシャ絨毯は底が見えないくらい深いですが、きっと見えてくるものがあるはずです。 -
名前 : まるもちゃん 2007年7月23日 9:45 PM
{チューリップ}アドバイスありがとうございます!{チューリップ}
いまのマイ・ブームは
・産地:イスファハン
・素材:ウール
・柄: チャラク トランジ&エスリム
なのですが、いろいろな絨毯を観ていると、とても複雑でロマンチックな
雰囲気の中に、魂が吸い込まれそうになり、飽きません。
意外にシラーズの部族柄と呼ばれる素朴なアンティークの絨毯も
可愛いので、惹かれます。それぞれに味わいがあって、ペルシャ絨毯
は楽しいですね! -
名前 : rugsts 2007年7月26日 5:05 PM
>>まるもちゃんさま
こんにちは~毎度で~す!
マイブームはイスファハンとオールド・シラーズですか?
何だか渋いところをつきますね!
ウチの店はイスファハンのトップクラスの在庫が占める割合がかなり高いです。でも売れないです。かなり回転悪いです。今日もセラフィアンの草木染めでオーソドックスなデザインのものが入荷しましたが、これも長居しそうです。
シラーズ、いいですね。非売品にしていますが、ルリ族のイラン暦1322年制作(絨毯に年号が織り込まれています)のものがあります。味わい深いですよ~。
-
名前 : まるもちゃん 2007年7月26日 10:12 PM
{キラリ}今晩は~!お返事ありがとうございます。{キラリ}
ちょっと悩んでいるので、アドバイスいただきたいのですが、ある日
セラフィアンの絨毯を別々のお店で見せてもらったんです。
A. 1940年代の状態の良いオリジナル(フリンジがちょっとほつれて
いるだけ)のオールドの16ヘフトのドザール
B. 1990年代の未使用の20ヘフトのドザール
柄はどちらも気に入っているのですが、同じ大きさで、丁度同じお値段を提示されています。
どちらがプロから見てお薦めですか?
A.は15年ほど壁に吊るしていたのですが、かなりコルクウールが柔らかい信じられないけれど、ビロードの感触のものです。B.は未使用なので、それなりですが、良いウールで今後10-20年かけて自分で使って、その感触の変化を楽しめるものです。
頑張って働いている自分を励ますために、良く勉強していいものを1枚買おうかと思っています。予算があったら両方買いたいところですが、無理なので、、同系色の絨毯で悩んでいます・・・{汗}。
タブン人生最大の、高い買い物なので、じっくり検討する予定ですが、是非プロのご意見をお願いします。 -
名前 : rugsts 2007年7月27日 12:05 PM
>>まるもちゃんさま
こんにちは~そして毎度です!
う~ん、難しいですね~。
画像でもあれば分かりやすいんですが。
文面のみ読ませて頂くと、どちらも貴重な絨毯に思えます。でも絨毯ってホントに難しいですし、今回の場合は大変高価なお買い物になりますよね。
この場でアドバイスできれば良いのですが…
もしよろしければ、ウチのHPのStoreのページから直接メールを頂けませんか?より正確なアドバイスができると思います。
Leave a Comment